大正、昭和の髙田家 業績
宮中御装束、展示会と研究会、受賞、著書出版物等について
宮中御装束
髙田装束 髙田義男
(大正・昭和度 羅・二陪織物ほか有職織物製織監督、宮中御装束製作監督・指揮者)(文様・配色考案、命名)(髙田家第二十三代)
髙田家23代 髙田義男は大正8年、正式に家業を受け継ぎ、皇室関係の祭儀に際しては装束および附属品の調製、文様の図案、色彩の設計に始まり、織物に至り、また染色は古代植物染料を主とした考証によって着手しました。
主なもののみ
大正 4年 大正度御即位式、高御座製作 天皇・皇后両陛下、皇族殿下、同妃殿下御儀服等調進
大正天皇陛下御料 御束帯黄櫨染御袍ほか調進
貞明皇后陛下御料 御五衣・御唐衣・御裳 御五衣・御小袿・御長袴 御袿ほか調進
(髙田家が文様図案考案、色彩の設計を行い、髙田家・東京織工場にて全ての製織を行う。)
大正 5年 皇太子殿下(昭和天皇陛下)立太子礼束帯黄丹闕腋袍調進
大正5年皇太子殿下(昭和天皇陛下)
立太子礼束帯黄丹闕腋袍裂 |
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大正 8年 皇太子殿下(昭和天皇陛下)御成年式装束調進
大正13年 皇太子殿下(昭和天皇陛下)、妃殿下(香淳皇后陛下)御成婚式御儀服調進
皇太子殿下料 束帯黄丹袍ほか調進
皇太子妃殿下 五衣・唐衣・裳ほか調進
昭和 3年 昭和度御即位式、天皇・皇后両陛下、皇族殿下、同妃殿下御儀服等調進
昭和天皇陛下御料 御束帯黄櫨染御袍ほか調進
香淳皇后陛下御料 御五衣・御唐衣・御裳 御五衣・御小袿・御長袴 御袿ほか調進
(髙田家が文様図案考案、色彩の設計を行い、髙田家・東京織工場にて全ての製織を行う。各種資料が残存。)
昭和27年 皇太子殿下(上皇陛下)御成年式御儀服 束帯黄丹闕腋袍調進
昭和33年 皇太子(上皇陛下)、妃殿下(上皇后陛下)御成婚式御儀服御装束調進
その他、御大葬、御成年式、御婚儀、着袴の儀 御儀服調進
秩父宮、高松宮、三笠宮親王殿下御成年式装束調進(童形束帯浅黄闕腋袍・束帯黒縫腋袍)(髙田織工場にて製織)
(淳宮)秩父宮雍仁親王殿下
1922年(大正11年)6月25日成年式
童形束帯浅黄闕腋袍裂夏の料 髙田義男製作監督 |
(光宮)高松宮宣仁親王殿下
1925年(大正14年)1月3日成年式
束帯黒縫腋袍冬の料裂 髙田義男製作監督 |
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展示会と研究会
昭和 6年 各時代の服装と調度展覧会 会場 髙田装束
奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代
監修者 東京帝室博物館大島義脩館長、猪熊浅麿、松岡映丘、吉村忠夫、高田義男
昭和 8年 植物染料に関する展覧会 会場 髙田装束
植物染料に関する一切の資料と併せて九條家、三條家、毛利家等の秘宝を御出品いただき展示
東京帝室博物館大島義脩館長、猪熊浅麿、松岡映丘、吉村忠夫、髙田義男
昭和28年 歴世服装美術研究会
日本歴世の服装を研究し、その美を究明するとともに、その内容を紹介する目的とするため、下記役員を以って結成されました
顧 問 安田靫彦、前田青邨
世話人 新井勝利、江崎孝坪、小堀安雄、鈴木敬三、羽石光志、山邊知行、髙田義男
結 髪 鈴木はな
受賞ほか
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昭和47年 髙田義男 紫綬褒章受章 保章の記
「多年わが国固有の有職装束の調査復元等に努め、技法の研究保存に尽力して、よく無形文化財に寄与し事まことに著明である。よって褒章条例により紫綬褒章を賜って表彰せられた」 |
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昭和48年 髙田義男 宮中歌会始めの陪聴を許される
著書出版物
昭和 2年 「和染鑑」 皇太后陛下(貞明皇后)、各宮家献上
帝室博物館献上
昭和10年 「大楠公六百年祭写真帖」 関保之助、髙田義男編者
神戸・湊川神社 楠公六百年に際し、御神幸列を復活し、併せて楠公列(楠公上洛の復活)装束類新調、納入
(有職故実研究家 関保之助、髙田義男が考証を行った。『大楠公六百年祭写真帖』があり、当時の行列祭の様子がうかがえます。)
昭和18年 「かさね色目」 髙田義男編者
宮中に献上され、皇太子殿下(上皇陛下)、美智子妃殿下(上皇后陛下)ご成婚時にご使用になられました。色彩研究の手引書として、わが国唯一の貴重資料でありました
その後、有職故実の研究所に度々使用されるようになり、現在も利用している辞典もある
これは髙田義男個人の研究成果である
昭和28年 「織文図譜」 河鰭実英著
髙田義男 資料提供、研究内容提供協力
昭和32年 「舞楽図説」 河鰭実英、薗広茂、安倍季巌、髙田義男 共著
髙田義男は本書の裂地および模様等織物の解説を担当する
昭和37年 「装束の知識と着法」 著者 八束清貫
髙田義男は宮中装束における研究内容、資料等の提供協力をする
但し、「近時皇族方御結婚御儀服(十二単)一覧表」においては担当せず、こちらは正式な名称などとは異なっております
昭和39年 「日本の服装」 鈴木敬三、山邊知行、髙田義男編者
古代より現代に至る服装の変遷を歴史的に考察説明
昭和42年 「有職故実」 鈴木敬三編者 協力 髙田義男
髙田義男は装束文様、染色、および織物等の時代考証、解説を担当する
昭和44年 「服飾史図絵」 上下二巻および裂集と解説書
わが国の服をの時代的に考察した学術的参考書。その中で髙田義男は織物および文様等の製作技術の説明を担当する
昭和46年 「有職故実図鑑」 著者 河鰭実英
髙田義男は宮中装束における研究内容、資料、図、かさね色目等の提供協力をする
髙田義男による、装束作図、かさね色目標本資料、解説等無断で使用、流用することはご遠慮願います。
演劇舞踊衣装等
昭和 8年 「染織祭」 吉川観方、野村正治郎、髙田義男協力
京都市、染織講社などが主催にて、毎年4月、染織都市にちなんで我国古代より現代に至る女子服装美を再現し、織姫神社より平安神宮までの行列の奈良、平安、鎌倉、桃山時代の衣装を製作担当し、詳細は記念出版「歴代服装図録染織祭扁」がある。すでにあった「時代祭」より、女性中心の大行列であった。京都市内での女子衣装行列はこれが初めてのことであった。
「染織祭」協力者 髙田義男(髙田装束)の京都当時住所 「京都市上京区烏丸通下長者町下ル」
昭和10年 源氏物語
歌舞伎座において松岡映丘指導のもと、髙田義男 装束を製作
昭和12年 「かぐや姫」 美術 松岡映丘 衣装製作 髙田義男
昭和15年 紀元二千六百年奉祝
浦安舞姫装束 四人舞 髙田義男 装束の考案、製作
同 年 新作舞楽昭和楽記念祝典行事に際し、宮内省より下命、宮内省楽部演奏の昭和楽の形式は上古武人姿。四人舞の鎧等一切を考証、製作
同 年 新作舞楽 悠久
髙田義男 装束の一切を考証し、衣装考案、製作
昭和28年 東おどり「飛鳥の夢」 安田靫彦 衣装製作 髙田義男
昭和29年 東おどり「道成寺絵巻」 安田靫彦 衣装製作 髙田義男
昭和31年(1956年)に二条城で「京都文華典」が開催され、その装束を髙田義男が考案製作した
小袿 衵 控裂
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昭和32年 舞踊劇「黒塚」 前田青邨、松田権六指導 江崎孝坪画伯指導 衣装製作 髙田義男
昭和43年 明治神宮
明治維新百年記念「代々木の舞」新作につき装束、および附属品等を考証考案、製作